厭な雨

厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ

自分に繋がる総ての因果を
ただ厭だという理由だけでぶち壊したい

プレーヤーの中身

自分だけのものではないと認識したこの場所を薄っすらとした義務感で片付けていた。

ここしばらく関心がなかったあれやこれやが出て来る度に、消炭当然だった自分の中に感動が駆け巡る。
それらは、すべてがすべて好ましいものではなかったけれど、あの時の、その時の最先端の自分がいた。
見る度に、聴く度に、触れる度に戻れる。

今の自分はあの頃の自分にはどう映っているだろう。
それを考えようとすると、頭の中で強い拒否感と目眩がしたから、まだ、それを振り変えられる領域まで至っていないのだろう。
いつか、過去の自分を思い出して「ああ、あの時はこうだったなぁ」と、何とは無しに言えるまでは、未だ成長途中なのだろう。

一通り片付いたあれやこれやを一つずつ開いてみれば、なんて拙い。
誰かから認められたい一心で頑張ってきた形跡が、なんて浅ましい。
なのに、まだ未完成な魅力が羨ましい。

空っぽな自分の中に、戻ってきた過去の自分の居場所を作ることを目標にこの年も頑張ろうと思った。

ならば、君の未来は

足元にあるのはいつも道徳的感情論
やさしさ かしこさ ただしさ すなおさ こころのつよさ
学び舎で教え込まれ それらを謳う
疑うことはなく それが喜びだと強く刻む

教室で誰かが無視されても
事実さえもわからない噂が蔓延っても
ある生徒は物を壊し ある生徒は保健室に引き籠り
ある先生は激怒し ある先生は涙を流し

そして、真面目過ぎたある先生は冬になる前に煉炭自殺した

古い学び舎に古い仲間が揃えば謳う
やさしさ かしこさ ただしさ すなおさ こころのつよさ
世間の波に生き残った勝者と
世間の波など気にもしない愚者が
声高々に謳う

学園が舞台のキラキラの深夜アニメのような
教育熱心な教師が奮闘する学園ドラマのような
そんなものは創作物で充分だ

この世で一番静謐な庭

ほっぽり出したガラクタがガタガタ鳴り出し
六畳間でひとり 寝られない夜
飲み慣れない酒をあらゆる清涼飲料水で割り
現実と夢とのチキンレース
薄っぺらな自我で指切り
即席の神に捧げる祈り
この夜が明けた先が
全ての曖昧さを暴いた
ゼロイチに分解された世界でありたい

ぶよぶよの防水カバーに覆われたが如く
不明瞭な感情スイッチ
自分の線路も切り替えられない役立たず
そんな自嘲行為も程々に
隣の部屋の君に知られたくない
まだ治らない治る気配もないこの憤りを

君の平等に優しいところが好きで
丁寧に情を排除した正論が嫌いで
いつも天秤にかけてしまう
いっそ君と僕としかいない世界ならいいのに
誰にでも慣れる君はゼロで
君を基にして僕がイチになる

この世界は答えがたくさんあるから
自由が選択をぶら下げて迫るから
選ぶ方法がわからない者から
何にもなれずただ朽ちるだけ

投石に揺らぐ

何もかもうまくいかない
耳を覆うヘッドフォンから彼らが囁く
そうだよなと呟いた一言で現実を突きつけられる

足元の石を蹴れば意図しない方向に転ぶ
自然の摂理には抗えないって分かっている
諦めているから受け入れられる
力でもどうにもできないから優しくなれる

なのになんで目の前のあなたには優しくできない
自分でさえもできるのにどうしてなんだよ

言葉を選ぶのも諦めて
目に写すのも諦めて
存在も意識するのを諦めて

記憶からそれでも消しさえることができない
もう忘れたい忘れたいと思えば思うほど奥に食い込む
引き抜こうとすると余計なものも付いてくる

だから嫌なんだ関わるとろくな事がない

瓶詰めの環境にやっと慣れてきたのに
蹴った石の波紋に動揺してしまう
弱い心は治らない

もしかして、恋

秋雨の降る朝に君と出逢った

誰もが眠っている時間に僕だけが眠れずに
徘徊して時間を潰している日々
けれどいつもはけたたましい世界も
静かで愛おしい時間

何かがいつもとは違う気がしたんだ

酸欠する夜

風が窓を打ち鳴らす夜
早打ちの鼓動に息を切らす

四方八方が塞がれた感覚に
視界が狭まるばかり
寝台灯の橙色に染まりながら
ベッドの上で反省会

全ての苦悩も嫌悪も後悔も
自分の気の持ちようだと人は言うけど
舵取りすらままならいない荒だった心を
鎮める術を未だに探している

一息吐けば誤解を招き
一息吐けば悶着になる
弁解とは聞こえが良い言い訳

到底聞き役には回れない節穴の耳は
暗い歌をBGMに悲劇の主人公気取り

風で震える窓に映る顔は
歳のせいだけでない皺で深くなるばかり
迷わなくて良いことだと頭で解っていても
心臓は不安で加速して思考が止まらない

このまま息をしければ楽になれるかな

さよなら、夏

君が立ち去って雨風が強くなる

気分もめっきり落ち込んで一緒にいたことばかりを思い出す

包み隠さない容赦がない態度も

時に核心を射るような眼差しも

それなのに目が醒めるような緑の木々を風に揺らし

決して離れようとしない情熱も

全てが愛おしい

今年の君は今年だけかもしれないけれど

また、逢いたいな

次世代逃亡

次の時代を担うのは君たちだ。

親と同じくらいの年の奴に、息を吐くように、当たり前のように言われた。
放置し過ぎた炭酸水のような気の抜けた声で、
「そうですね」と答えたけれど、
愛想笑いの顔には内から滲み出る不快感が隠せなっただろう。

自分自身受け入れるのに必死なのに、
自分を受け入れてくれなかったあの社会を担うなんて無理だ。

ゆとり世代で学んだ「道徳心」と「郷土愛」は、
今じゃただの「理不尽」と「重荷」にしかならない。
本当に社会が求めているのは、
僅かな給与でも文句も言わずお国のためと働き、
バブル時代のように派手に娯楽を楽しみ経済を回す人材だ。

仕事終わりはベットに潜り、
休日は陽のあたる部屋でセロトニン製造に勤しんでいる僕には無理だ。

共有を拒否したくせに、
少しでもこの気持ちを共有してくれる誰かを探して、
独り言を垂れ流している自称傍観者。

次の時代があるかもわからないのに、ならば今を必死で生きればいいのに。
自分に素直になればなるほど、
建前も肩書きも血縁も由縁も結局役に立たないと
知った時から人間失格。