まるで頭の蓋が空いてしまってたよう
次から次へと襲いかかる現実が
ぐるぐると奥の奥へと引き摺り回し
僕を押しやって思考を鈍らす
口は息をする代わりに本心ではない他人の言葉を紡ぎ始める
それが身体中の血管を巡って
僕がぼくで無くなる感覚
けれど吐瀉術なんて知らないから
奥に追いやられた僕が出来る限り大声で
正確に他人ではない言葉に置き換えることに精一杯
自我の波打ち際で保っている
ただただ僕がぼくでいるために
自分で定義した自分を振る舞うために
他人ではなく僕のためだけに肯定するために
一度他人を受け入れてしまうと
僕はぼくでなくなる
他人に同調し共感し精一杯の鏡で在ろうと努める機械化する
そして他人が僕を不要になったと同時に
僕がぼくのためだけに涙する
思考を乗っ取られ蹂躙された気分になって
夜に独りで反省会
ぐるぐるの思考と波に攫われる程度の自我で