いつも朝は憂鬱。夢から覚めることが怖い。
どんな理不尽な夢でも僕は常に役割がある。
「主役」「脇役」「傍観者」「当事者」「被害者」「加害者」
夢では何にでもなれる。誰の気持ちにも応えられる。
だけど一旦夢から覚めてしまうと、もう、何者にもなれない。
一方方向に進むだけ時間に身体を委ねる。
この時代のチグハグな規則に違和感を感じつつも、
無理矢理着こなそうと焦る日々。
けれど、今日は君がいた。それに笑っていた。
いつからかここでは笑わなくなっていた君が。
眉間の皺、色のない瞳、左曲がりに困った唇。
そんな君をなんとかしたい。
チグハグな気遣いで空回りする僕を見て、
優しい君は空を見上げることが多くなった。
ここでは何にもなれない。
主役でなくてもいい。
君が笑ってくれる世界でなら道化になれるのに。
いつも自分が不在で不甲斐ない。