最期の日
真剣な面持ちのあなたは始終無言で
つい安心させたくて少し泣いて笑った
さよなら 別れの言葉はこれに尽きる
ちっとも軽くならない身体には本当は不安しかない
けれど今までの緩慢な絶望より
何も起きなかった後の未来より
ずっと望んでいた日が来る
自分の手を汚す事なく正当化した自棄な願い
それだけが希望
一方的なメールも煩わしい日常
表面的なニュースも無関心な日常
沈みかけの夕日だけが忘れないでと未練がましい
仄あたたかい街灯に照らされる花びらが
新しい制服の子供達に踏みつけられる
普遍的安堵感 偽装的平常心 希望的絶望不安
寂しさ 理不尽 諦観 自己の不在
さあ、今日は最期の日
何も起きなかったら明日が現実的絶望に始まり
さあ、穴蔵に入る準備をしてあなたに逢いに行こう
一面焼け野原一欠片も残らない世界を想像しよう
夢の中では、あなたは笑ってくれるはず
ずっと希望に満ち溢れた光の中で