夢の齟齬

寝起きの5秒間は誰しも何にでもなれる
ジェル状の思考で役割を棄て境界線を越えて行ける
そんな気になる

今夜も朝が未だ燻っている前に目が醒める
一寸前にいた極彩色の世界とは違う
明度の低い八畳間の天井
不安定な現実感が徐々に輪郭を持つ
時計による視覚認識で午前3時と知り
飼い猫の空腹のよって置かれている状況を無理矢理思い知らされる

極彩色の世界では数々の事件を解決した
地位も名誉も多数の友人もいた
しかし目が醒めれはただの穀潰し
寝起きの5秒間は誰しも何にでもなれる
そんな気になる

燻った朝が夢から醒めるまでもう一眠り
つぎの5秒間は何になろうか
ジェル状の思考のままの境界線を越えて行ける
そんな気がする

投稿者:

三本不明

不安でどうしようもない、頭が冴えすぎて寝られない夜に吐き捨てる完全無欠の文字列ブログ