僕と初夏

窓の外は見事な晴天で、しばらく仕事を放って見惚れてた。 それは雲ひとつなく、海と取り違えるほど澄んでいたので、

(今すぐ飛込みたい)

そんな気持ちになった。 しかし、今、僕がいる場所は5階であり、さらに仕事中だったので、その気持ちグッと堪えた。

窓から吹き込む風は乾燥していながらしっかりと青葉の匂いを含み、 夏がすぐそこまで来ていることを確信させる。 居ても立ってもいられなくなり、僕は遅い昼休憩を名目に会社から飛び出した。 夏とは何処に行けば逢えるかわからないけれど、 とにかく明るい方へ、とにかく暑い方へ、足を向ける。 なにか起きそうな青い空を仰ぎながら。

投稿者:

三本不明

不安でどうしようもない、頭が冴えすぎて寝られない夜に吐き捨てる完全無欠の文字列ブログ